やや減少?令和2年度温室効果ガス排出量の集計結果の公表【環境省】

2023年10月27日の環境省報道発表です。

環境省及び経済産業省は、令和2年度の温室効果ガス排出量について、特定排出者から報告のあった排出量を集計し、取りまとめました。

前年度と比較して、温室効果ガスの排出量は10%弱程減少していました。

地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における令和2年度温室効果ガス排出量の集計結果の公表について

 環境省及び経済産業省は、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「温対法」という。)に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度において、事業者から報告のあった令和2年度の温室効果ガス排出量を集計し、今般、取りまとめましたので、公表します。

1.経緯

 温対法に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度は、温室効果ガスを相当程度多く排出する者(特定排出者)に、自らの温室効果ガス排出量を算定し、国に報告することを義務付け、国が報告された情報を集計・公表する制度です

 本制度は、温室効果ガスの排出者自らが排出量を算定することにより、自らの排出実態を認識し、自主的取組のための基盤を確立するとともに、排出量の情報を可視化することにより、国民・事業者全般の自主的取組を促進し、その気運を高めることを目指すものです。

 今般、環境省及び経済産業省は、令和2年度の温室効果ガス排出量について、特定排出者から報告のあった排出量を集計し、取りまとめました。

※ 制度概要 https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/about

2.集計結果の概要

 報告を行った事業者(事業所)数及び報告された排出量の合計は、下記のとおりです。

(1)特定事業所排出者※1

 令和2年度<参考>令和元年度
報告事業者数(報告事業所数)11,904事業者(14,776事業所)12,204事業者(15,035事業所)
報告された排出量の合計5億6,417万tCO26億1,523万tCO2
報告された調整後排出量※2の合計5億4,708万tCO25億8,498万tCO2

(2)特定輸送排出者※3

 令和2年度<参考>令和元年度
報告事業者数1,307事業者1,303事業者
報告された排出量の合計2,477万tCO22,883万tCO2

(3)特定排出者全体(=(1)+(2))

 令和2年度<参考>令和元年度
報告された排出量の合計5億8,894万tCO26億4,406万tCO2

※1 特定事業所排出者:以下の①又は②の要件を満たす事業者
 ① 全ての事業所の原油換算エネルギー使用量の合計が1,500kl/年以上となる事業者
 ② 次のア及びイの要件を満たす事業者
 ア 算定の対象となる事業活動が行われており、温室効果ガスの種類ごとに、全ての事業所の排出量がCO2換算で3,000t以上となる事業者
 イ 事業者全体で常時使用する従業員の数が21人以上
※2 調整後排出量:事業者が事業活動に伴い排出した温室効果ガスの排出量を、国内認証排出削減量等の無効化量、廃棄物の原燃料使用に伴う排出量等を控除等して調整したもの。
※3 特定輸送排出者:輸送部門の排出量報告を行う特定排出者。省エネルギー法に基づく特定貨物輸送事業者、特定荷主、特定旅客輸送事業者及び特定航空輸送事業者等。

(注) 他人から供給された電気の使用に伴うエネルギー起源CO2排出量は、令和2年度の電気の使用量に、令和元年度実績の電気事業者別排出係数を乗じて、算定しています。

3.公表及び開示請求

 環境省及び経済産業省では、すべての事業者からの報告情報について、令和5年10月27日(金)14時から開示請求を受け付けます。また、事業所管省庁では、当該省庁の所管する事業を主たる事業としている事業者からの報告情報について、開示請求を受け付けます。

 集計結果及び開示請求の方法については、下記の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度のWEBサイトに掲載予定です。

(集計結果)   http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/result

(開示請求の方法)http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/request

※  地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(令和3年度法律第54号)の施行に伴い、開示請求を経ることなく公表することとなりましたが、同法による改正前温対法のデータについては経過措置により引続き開示請求が必要となります。
※  データについては引き続き精査し、必要に応じて、今般公表した集計結果を今後更新することがあります。

2023.10.27 環境省報道発表

温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度とは?

「地球温暖化対策の推進に関する法律」(温対法)に基づき、平成18年4月1日から、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者)に、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられました。また、国は報告された情報を集計し、公表することとされています。

(出典:環境省

対象となる温室効果ガスと事業者は?

対象となる温室効果ガスは以下のとおりです。多量に温室効果ガスを排出する事業者は、事業内容に関わらず法の対象となります。

対象となる温室効果ガス(法第2条第3項)

一 二酸化炭素
二 メタン
三 一酸化二窒素
四 ハイドロフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
五 パーフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
六 六ふっ化硫黄
七 三ふっ化窒素

室効果ガスの種類対象者
エネルギー起源CO₂【特定事業所排出者】全ての事業所のエネルギー使用量合計が1,500kl/年以上となる事業者
・省エネ法の特定事業者
・省エネ法の特定連鎖化事業者
・省エネ法の認定管理統括事業者又は管理関係事業者のうち、全ての事業所のエネルギー使用量合計が1,500kl/年以上の事業者
・上記以外で全ての事業所のエネルギー使用量合計が1,500kl/年以上の事業者
【特定輸送排出者】
・省エネ法の特定貨物輸送事業者
・省エネ法の特定旅客輸送事業者
・省エネ法の特定航空輸送事業者
・省エネ法の特定荷主
・省エネ法の認定管理統括荷主又は管理関係荷主であって、貨物輸送事業者に輸送させる貨物輸送量が3,000万トンキロ/年以上の荷主
・省エネ法の認定管理統括貨客輸送事業者又は管理関係貨客輸送事業者であって、輸送能力の合計が300両以上の貨客輸送事業者
上記以外の
温室効果ガス
【特定事業所排出者】次の2点の要件をみたす事業者
・温室効果ガスの種類ごとに全ての事業所の排出量合計がCO₂換算で3,000t以上
・事業者全体で常時使用する従業員の数が21人以上
(出典:環境省

※「トンキロ」とは、1tの貨物を1km運んだ場合を1トンキロとしています。

※省エネ法については、下記をご覧ください。

詳しい制度内容、報告方法については、環境省のサイトをご覧ください。