「自分が正しい」より「苦しまないこと」を選べるか
【Aさん】
普段、自分の考えを否定されたり、受け入れられなかったりすると、イライラしたり、不快な気持ちになることってありますよね。
「絶対、自分の方が正しい!」はずなのに、なんでこの人はわからないんだろうって。
【TAROMARU】
その気持ちはわかりますが、それはストレスがたまる反応の仕方です。
【Aさん】
実際ストレスがたまって、しばらくイライラが続くこともあります。
【TAROMARU】
そういう状態を放っておくと、いつのまにか悩んだり苦しんでしまうことになりますよ。
【Aさん】
それはわかっているつもりですが、どうしても、つい。
【TAROMARU】
人生が幸せかどうかは、「いかに苦しまないか」です。
【Aさん】
苦しまないで済むならそう願いたいです。
【TAROMARU】
どんな思いであっても、「苦しみ」につながるのであれば、まず手放すことを考えてください。「苦しまないこと」より「自分が正しい」と執着する価値はないと思います。
【Aさん】
冷静に考えると、そうですよね。
【TAROMARU】
ムダな心の反応を減らせれば、心のモヤモヤが晴れて、毎日すっきりした気持ちになれますよ。
【Aさん】
はい!「悩まない、苦しまない」ようになりたいです。
「自分が正しい」と思う理由とは?
【Aさん】
だけど、なぜ「自分が正しい」と執着してしまうのでしょうか?
【TAROMARU】
それは、人から認められたいと思う「承認欲」という人間の本能的な欲求が、自分にとって都合のいい「妄想」を作り出すからです。
【Aさん】
「承認欲」が作り出す「妄想」が原因だと。
【TAROMARU】
そうです。自分の承認欲を満たしたいあまり、「自分は正しいんだ」「自分は優れているんだ」といった「妄想」が作り出されてしまいます。
【Aさん】
なるほど。
【TAROMARU】
これを仏教では「慢」と呼ぶそうです。
例えば、傲慢、高慢、プライド、虚栄心、優越感、差別意識など、これは全部慢にあたります。
【Aさん】
へぇ~。こういう人周りに結構いますね(・・・自分もかな)。
【TAROMARU】
こういう人は、「よく怒ります」。
なぜなら、怒りを持って何かを否定すると、自分が言っていることは正しいと思えてくるからです。
【Aさん】
なるほど。
【TAROMARU】
でも怒りは、ムダな心の反応ですので、結局、怒りやすい人は、苦しみやすいものです。
「自分が正しい」という思いに苦しまない方法
【TAROMARU】
結局、「自分が正しい」という思いも、頭の中で作られた「妄想」なので、自分の意識次第でどうにかなるものなんです。
【Aさん】
この妄想を消せばいいんですね。具体的にはどうすればいいですか?
【TAROMARU】
まずは、これは妄想だと「気付く」ことです。
今回の場合、より具体的には、
「これは承認欲求から来ているんだな」
「まぁ人それぞれ正しく思うことは違って当然だしね」
「あなたにとっては、それが正しいのですね」
と言葉に出して気付くことです。
【Aさん】
まずは妄想にすぎないと気付くこと。現実ではないものだと。
【TAROMARU】
そういったことが習慣になれば、徐々に、「自分が正しい」という思いに執着せず、「気にならない」状態になれるでしょう。
【Aさん】
わかりました。
ちなみに、仕事で、どうしても相手が言っていることが間違っていて、説得しなければならない時もありますが、そういうときはどうすれば?
【TAROMARU】
相手が納得することと、「自分が正しい」という思いに執着することは、まったくの別問題です。
伝え方、相手との前提条件の違い、相手との関係性(信頼性)など、いろいろ要因はあると思います。
さらに、人間関係の原則は、「理解してから理解される」です。
この点を踏まえて、どうしたら相手に理解してもらえるか、具体的な方法を考えることに集中した方がいいと思います。
【Aさん】
なるほど。
ちなみに「自分が正しい」じゃなくて「自分は間違っている」と思った方がいいわけではないですよね?
【TAROMARU】
正しい、間違っているかの判断も、頭の中で考えた妄想にすぎませんので、必要なしです。
【Aさん】
わかりました。
自分が正しいと思うことはあるにせよ、執着して、苦しまないようにしたいと思います。
※本記事は、原著を踏まえたTAROMARUの解釈に基づき執筆しています。気になる方は、ぜひ原著をお読みください。