2023年10月19日の経産省のリリースです。
自動運転移動サービスに向けて、経産省と国交省が新たな取組みをはじめました。
2025年度までの新たな自動運転移動サービス実現に向けた「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を立ち上げます
2023年10月19日
経済産業省では、2025年度までの新たな自動運転移動サービス実現に向けた環境整備のため、国土交通省などと連携し、「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を立ち上げます。
1.設置趣旨
政府では、2025年度目途に国内50か所程度で無人自動運転移動サービスの実現を目指しているところ、今後、より大規模かつ複雑な交通環境での新たな自動運転移動サービスの開始が見込まれます。こうしたサービスの早期実現に向けては、事業者及び関係省庁間での適切な情報共有の促進等のための環境整備が必要です。
こうした観点から、経済産業省及び国土交通省で進めている自動運転開発・実装プロジェクト「RoAD to the L4」の下に、レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を新たに設置します。
本コミッティのアジェンダ(予定)
※ 内容に応じて公開・非公開を設定
- 事業者からの事業概要、スケジュール説明
- 各関係省庁における課題の論点整理
- 事業の進捗状況及び各関係省庁の許認可状況の共有 等
本コミッティのメンバー(予定)
経済産業省、国土交通省、警察庁、総務省、関係自治体
2.スケジュール
11月頃から開始予定
3.直近の議題
本日、合弁会社の設立発表があった本田技研工業株式会社、ゼネラルモーターズ(米国)及びGMクルーズホールディングスLLC(同)の取組を、本コミッティにおける直近の議題とし、今後、関係省庁間での情報共有を図りつつ、新たな自動運転移動サービス実現に向けて、進捗管理を進めてまいります。
自動運転移動サービスってそもそも何?今どんな状況?
さて、自動運転が進められていることは、何となくご存じの方も多いでしょうが、今、どんな状況なのでしょうか?
ポイントとなる部分を調べましたので、ご紹介します。
自動運転とは?
「運転者ではなくシステムが、運転操作に関わる認知、判断、操作 の全てを代替して行い、車両を自動で走らせること」をいいます。
自動運転にはレベルが分けらており、レベル0から5まであります。そのうち、自動運転とは、レベル3以上をいいます。
国交省の以下の動画がわかりやすいです。
自動運転のレベルとは?
レベル0はドライバーが全ての運転を行う従来の自動車です。
レベル1は、自動ブレーキや前方の車両に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、車線維持のレーンキープアシストシステム(LKAS)など、一方向だけの運転支援機能が付いている車両す。ドライバーが運転操作の主体です。
レベル2は、レベル1の機能に加え、高速道路など特定の条件のもとでは自動運転モードが使用できる車両です。走行中のステアリングと加減速操作の両方をシステムがアシストし、車線を維持しながら前方の車に追従するなどが自動で行えます。
ただし、自車線内の歩行者や障害物などにはシステムでは対応しきれないため、人の操作が必要です。自動運転車ではなく、「運転支援車」に分類されます。
レベル3:条件付運転自動化
レベル3は、決められた走行環境や場所など条件を限定することで、全ての運転操作を自動システムで行える機能を備えている車です。レベル3以上を自動運転とよびます。
以前は、国内ではレベル3以上の自動運転の走行は認められていませんでしたが、2020年4月に「改正道路交通法」及び「改正道路運送車両法」が施行され、走行が可能となりました。
レベル3以上になると、運転の主体は自動運行装置(装置の作動困難時は運転者)に変わります。ただし、自動運行が正常作動できない場合は、手動運転への切り替えが必要となり、常に運転可能な人物が乗っている必要があります。また、飲酒や睡眠も禁止です。
レベル4:高度運転自動化
今回の経産省リリースでもでてきた「レベル4」ですが、無人運行を前提として、決められたエリア、道路、天気、時間帯などの「運行設計領域(ODD)」を自動走行するシステムです。
システムが設定された環境を認識して走行することが可能であり、運転操作が不要です。人件費削減や運転手不足の解決といったメリットが大きく、実用化が期待されています。
レベル5:完全運転自動化
レベル5は、レベル3、4のような特定の条件や運行設計もなく、自動運行システムが全ての運転操作を行う、ドライバー不要の車両を指します。
2023年5月21日国内初のレベル4!福井県永平寺町
国内では、2023年5月21日に福井県永平寺町で、特定の条件下で完全な自動運転ができる「レベル4」での移動サービスが初めて開始されました。国土交通省は、福井県永平寺町で移動サービスとして運行する車両について、道路運送車両法に基づき、運転者を必要としない自動運転車(レベル4)として認可しました。
RoAD to the L4とは?
今回のニュースにもあった、経済産業省及び国土交通省で進めている自動運転開発・実装プロジェクト「RoAD to the L4」については、以下のサイトをご覧ください。
国の考える自動運転の道筋としては、公共交通を含む商用車(サービスカー)と自家用車は、それぞれ異なるアプローチで社会での自動運転の実現を目指すとしています。
完全自動運転(レベル5)までには、様々な課題が存在することから、利用条件を限定しやすいサービスカーから先行して、無人自動運転サービスの実証に取り組んでいます。
自家用車は、現在、複数の自動車メーカーが広い範囲で利用できる乗用車の運転支援の高度化を進めており、ここにサービスカーの自動運転の先行実装が貢献し、自家用車での量産開発に進むことを期待しているとのことです。
直近の議題となるホンダらの取組みとは?
新たに設立されるコミッティの直近の議題しては、ホンダとゼネラルモーターズ(米国)、GMクルーズホールディングスLLC(同)の取組が取り上げられます。
詳細は以下をご覧ください。