4 一般企業にとって優先度の高い条文とは?廃棄物処理法の効率的攻略法

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今回は廃棄物処理法の内容についてお伝えします。

廃棄物処理法を最初から最後まで一から読んでいくのは、なかなか骨が折れる作業です。できるだけ要領よく、要点から優先的に読んでいきたいですよね。

そこで一般的な企業の方にとって、関連性が高いと思われる部分をお伝えします。

筆者プロフィール

・廃棄物処理法の元行政担当者(元公務員技術職)
・廃棄物処理施設技術管理者の有資格者

一般企業にとって関連性の高いところとは?

実はゴミを出す一般的な企業の方にとって、廃棄物処理法の関連する条文はかなり限定的です。

廃棄物処理法の全体像

まずは法律の目次をご覧ください。

(廃棄物処理法 目次)
第一章 総則(第一条―第五条の八)
第二章 一般廃棄物
 第一節 一般廃棄物の処理(第六条―第六条の三)
 第二節 一般廃棄物処理業(第七条―第七条の五)
 第三節 一般廃棄物処理施設(第八条―第九条の七)
 第四節 一般廃棄物の処理に係る特例(第九条の八―第九条の十)
 第五節 一般廃棄物の輸出(第十条)
第三章 産業廃棄物
 第一節 産業廃棄物の処理(第十一条―第十三条)
 第二節 情報処理センター及び産業廃棄物適正処理推進センター
  第一款 情報処理センター(第十三条の二―第十三条の十一)
  第二款 産業廃棄物適正処理推進センター(第十三条の十二―第十三条の十六)
 第三節 産業廃棄物処理業(第十四条―第十四条の三の三)
 第四節 特別管理産業廃棄物処理業(第十四条の四―第十四条の七)
 第五節 産業廃棄物処理施設(第十五条―第十五条の四)
 第六節 産業廃棄物の処理に係る特例(第十五条の四の二―第十五条の四の四)
 第七節 産業廃棄物の輸入及び輸出(第十五条の四の五―第十五条の四の七)
第三章の二 廃棄物処理センター(第十五条の五―第十五条の十六)
第三章の三 廃棄物が地下にある土地の形質の変更(第十五条の十七―第十五条の十九)
第四章 雑則(第十六条―第二十四条の六)
第五章 罰則(第二十五条―第三十四条)
附則

全部で第34条までありますが、実際は「第〇条の〇」などかなりの数の条文があります。

これをすべて読むにはなかなかのパワーが必要です。

関連性が高い条文

一般的な企業の方にとって関連性が高い条文は赤文字の部分になります。

(廃棄物処理法 目次)
第一章 総則(第一条―第五条の八) ※一部のみ
第二章 一般廃棄物
 第一節 一般廃棄物の処理(第六条―第六条の三)
 第二節 一般廃棄物処理業(第七条―第七条の五)
 第三節 一般廃棄物処理施設(第八条―第九条の七)
 第四節 一般廃棄物の処理に係る特例(第九条の八―第九条の十)
 第五節 一般廃棄物の輸出(第十条)
第三章 産業廃棄物
 第一節 産業廃棄物の処理(第十一条―第十三条)
 第二節 情報処理センター及び産業廃棄物適正処理推進センター
  第一款 情報処理センター(第十三条の二―第十三条の十一)
  第二款 産業廃棄物適正処理推進センター(第十三条の十二―第十三条の十六)
 第三節 産業廃棄物処理業(第十四条―第十四条の三の三)
 第四節 特別管理産業廃棄物処理業(第十四条の四―第十四条の七)
 第五節 産業廃棄物処理施設(第十五条―第十五条の四)
 第六節 産業廃棄物の処理に係る特例(第十五条の四の二―第十五条の四の四)
 第七節 産業廃棄物の輸入及び輸出(第十五条の四の五―第十五条の四の七)
第三章の二 廃棄物処理センター(第十五条の五―第十五条の十六)
第三章の三 廃棄物が地下にある土地の形質の変更(第十五条の十七―第十五条の十九)
第四章 雑則(第十六条―第二十四条の六)※一部のみ
第五章 罰則(第二十五条―第三十四条)※一部のみ
附則

もちろん「一般的な」とはいえ、さまざまなケースがあります。上記以外の条文が、まったく関係ないわけではありませんのでご注意ください。

第一章の中で関連性の高い条文

さらに第一章について中身を見てみます。

第一章 総則
 第一条(目的)
 第二条(定義)

 第二条の二(国内の処理等の原則)
 第二条の三(非常災害により生じた廃棄物の処理の原則)
 第二条の四(国民の責務)
 第三条(事業者の責務)
 第四条(国及び地方公共団体の責務)
 第四条の二(非常災害時における連携及び協力の確保)
 第五条(清潔の保持等)
 第五条の二(基本方針)
 第五条の三(廃棄物処理施設整備計画)
 第五条の四
 第五条の五(都道府県廃棄物処理計画)
 第五条の六(都道府県廃棄物処理計画の達成の推進)
 第五条の七(廃棄物減量等推進審議会)
 第五条の八(廃棄物減量等推進員)

赤文字の部分が事業者に対して規定されたものです。

第2条は用語の定義なので理解必須の条文ですが、他は概念的な条文です。

一般企業にとって、関連性が高い部分はかなり限定的なだということがわかると思います。廃棄物処理法に対して、少しでも心理的なハードルがさがれば幸いです。

読むべき条文の優先順位を付ける

実は廃棄物処理法の規定の多くが「廃棄物処理業」や「廃棄物処理施設」に関することです。

これらは「他人の廃棄物を”業として”処理する場合」や「廃棄物を処理する施設を設置する場合」の規定になります。いずれも自治体の許可が必要なもので細かく規定されています。

ほかには、国や地方公共団体に関する規定や、国民全体に規定した常識的なものがあります。

ただケースによっては関連する条文が他にもあるかもしれません。あくまで優先順位の話なので他の部分も必ず確認してくださいね。「知らなかった」で済まされないのが法律です。

本来、ルールはルールなので重いも軽いもなく、優先順位を付けられるものではありませんので、あくまで学び方の話です。

自分に関連性が高い部分を重点的に攻略した上で、他に関連する条文がないか確認していくことが大切です。

【執筆者 プロフィール】
元技術系公務員のフリーライター。大手製造業で開発業務を経て、公務員の技術職へ。水質汚濁防止法や廃棄物処理法の担当者として、多くの事業場に立入検査や届出審査を行ってきた。公害防止管理者(水質第1種)、廃棄物処理施設技術管理者などの資格を保有。現在は、ライターに転向し、ビジネス系のWEBメディアや製造業者のWEBサイトなどの記事を執筆中。

元行政職員。主に環境行政を担当し、環境法令に基づく届出や許認可の審査、また年間100社以上の工場や事業場への立入検査をしてきた実務経験があります。公害防止管理者などの国家資格有り。環境法令について、実務を担う方などがわかりやすく学べるようやさしく解説しています。

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