・産業廃棄物のマニフェストについて簡単に知りたい
・マニフェストの具体的な書き方を知りたい
・法律や自治体のサイトを見てもよくわからない
・廃棄物処理法について一から学びたい
今回はこんな悩みを解決します。
この記事を読み終わった後は、マニフェストの仕組みや書き方ついて、理解が深まり、実務に活かせるはずです。
※ そもそも産業廃棄物とは何か確認したい方はこちらをご覧ください。
産業廃棄物のマニフェストとは?
マニフェストの目的
ゴミがちゃんと処分されたか管理するもの
マニフェストとは、正式には「産業廃棄物管理票」といいます。
つまり、産業廃棄物を管理するための伝票のこと。

なぜこんな伝票を使って管理しなければならないの?

それは「排出事業者責任」があるからです
つまり、ゴミを出した会社など(排出事業者)は、きちんと最後まで処分されるまで責任をもたなければならないのです。
万が一、処理業者が、引き取ったゴミを不法投棄でもしたら・・・
ゴミを出した会社にまで影響が及ぶというものなんです。

実際、不法投棄はあとを絶ちません。
もちろん不法投棄した者が罰せられますが、原状回復にはゴミを出した会社に及ぶことも十分考えられます。
なので、処理業者が引き取ったあとも「ちゃんと処分場まで運ばれたか」「ちゃんと処分場で処分されたか」確認する必要があります。
その時使うのがこのマニフェストという伝票です
この伝票は紙と電子(パソコン)があり、いずれかを使います。ちなみに、環境省は電子を推しており、場合によっては電子が義務化されているケースもあります(有料)。
(ちなみに一般廃棄物にはマニフェストは不要です)
※マニフェストの制度についての詳細は環境省の通知をご覧ください
https://www.env.go.jp/hourei/add/k033.pdf
それでは具体的な流れと書き方について解説します。
マニフェストの流れと書き方
マニフェストの流れ
マニフェストの流れは、産業廃棄物の受け渡しの流れに沿って「交付」するとともに、運搬や処分終了時に、排出事業者に「返却」される仕組みです(返却には期限がある)。
便宜上、紙マニフェストは7枚複写式になっているものが主流であり、関係団体などが販売しています(有料)。

E票 ・・・180日以内
最後まで気が抜けないですね

マニフェストの書き方

<出典:公益社団法人 全国産業資源循環連合会ホームページ>
交付年月日 | マニフェストを交付した日付を記入 |
交付担当者 | マニフェストの交付を担当した者を記入 |
排出事業者 | 排出事業者の氏名又は名称、住所、電話番号を記入 |
排出事業場 | 排出場の名称、所在地、電話番号を記入 |
産業廃棄物 | 排出する産業廃棄物の種類にチェック |
数量 | 排出する産業廃棄物の数量を記入(単位はkg、㎥、車など)) |
荷姿 | バラ積み、フレコンバッグ入りなど荷姿を記入 |
産業廃棄物の名称 | 廃棄物の概要が分かるように記入 |
有害物質等 | 有害物質が含まれている場合記入 |
処分方法 | 「破砕」「切断」「圧縮」など。産業廃棄物の処分方法を記入 |
中間処理産業廃棄物 | 中間処理業者が残さ物を処理委託する際に記入(1次マニフェストの場合は斜線) |
最終処分の場所 | 最終処分する予定の場所を記入 |
運搬受託者 | 運搬を委託する収集運搬業者の名称などを記入 |
運搬先の事業場 | 契約している処分業者の事業場を記入 |
処分受託者 | 契約している処分業者の名称などを記入 |
積替え又は保管 | 積替保管を行う場合のみ記入 |
まとめ
産業廃棄物のマニフェストの流や書き方について解説しましたが、理解を深められたでしょうか?
廃棄物に関する規則は、非常に難解であり、わかりずらい部分もあり、また罰則も厳しいものです。事業者の方にとっては判断に迷うこともあると思いますが、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
これからも廃棄物に携わる方が、スムーズに法令を理解できるよう、実務に活かせるよう記事を書いていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
※本格的に廃棄物処理法を学びたい方は、この本は必須です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
~執筆者 TAROさんについて~
某国立大学院の工学研究科で、プラスチックのリサイクルについて研究。大学院修了後、大手製造業に就職し、液晶テレビや携帯電話などの電子部品の素材を開発する業務に従事。特許取得。その後、転職し、環境や水に関する仕事に従事。公害防止管理者、廃棄物処理施設技術管理者。2022年4月からライターとして独立予定。
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