水質汚濁防止法の理解を加速する「新・公害防止の技術と法規」とは?

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環境担当者
環境担当者

水質汚濁防止法について勉強するために、
おススメの本はありますか?

TAROさん
TAROさん

はい。私がおススメする本をご紹介します

こんな悩みありませんか?

・水質汚濁防止法に関する書籍を知りたい
・水質汚濁防止法の条文を読んでもよくわからない
・水質汚濁防止法を効率的に理解し、確実に法令遵守したい

はじめて水質汚濁防止法の業務を任された人は、「さて、どうやって学んでいけばいいのか」と感じたことはないでしょうか?

とりあえず水質汚濁防止法の条文を読んでも、「届出?」「排水基準?」「特定施設?」など、慣れない法律を読むのに一苦労・・・なんてこともあると思います。

かくいう私も技術系出身であり、自治体で初めて水質汚濁防止法の担当になった時は、法律の理解にとても苦労しました。

そこで本サイトでは、当時の私と同じような悩みを抱えている方に向け、水質汚濁防止法のポイントを解説していますが、法令を正しく理解して確実に遵守するには、やはり法律の条文を一つ一つ丁寧に読み込む必要があります。

しかし「法令を読んでもよくわからない」「もっと効率的に理解したい」というのが本音ではないでしょうか。

公害防止管理者の本がおすすめ

そこでおすすめなのが「公害防止管理者(水質)」の書籍の活用です。

公害防止管理者の試験には、水質汚濁防止法の知識や排水処理に関する問題が出題されるので、法令の詳しい解説やポイントが記載されています。

以下におすすめの書籍をご紹介します。機会があれば一度手に取って見てみてください。大型書店などには置いてあります。

「新・公害防止の技術と法規 水質編」

一番おすすめすなのが公式のテキストである「新・公害防止の技術と法規 水質編」です。

別名「電話帳」とよばれる程の厚みがあります。

全3冊セットであり、内容は
1.公害総論 2.水質概論 3.技術編(汚水処理特論、水質有害物質特論、大規模水質特論
となっています。

目次
I 公害総論 
I. 1 環境問題の概要
I. 2 環境基本法と環境関連法
I. 3 環境基本法の解説
I. 4 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の解説
I. 5 最近の環境問題
I. 6 各種環境管理手法に関すること
I. 7 国際協力

II 水質概論
II . 1 水質汚濁防止対策のための法規制の仕組み
II . 2 水質汚濁防止法の解説
II . 3 水質汚濁の現状
II . 4 水質汚濁と発生源
II . 5 水質汚濁機構
II . 6 水質汚濁の影響
II . 7 国又は地方公共団体の水質汚濁防止対策

III 汚水処理特論
III. 1 汚水等処理計画
III. 2 物理化学処理法
III. 3 生物処理法
III. 4 汚水等処理装置の維持管理
III. 5 水質汚濁物質の測定技術
IV 水質有害物質特論
IV. 1  有害物質処理技術の概要
IV. 2  カドミウム・鉛排水の処理
IV. 3  クロムVI(六価クロム)排水の処理
IV. 4   水銀排水の処理
IV. 5   ひ素排水の処理
IV. 6   セレン排水の処理
IV. 7   ほう素排水の処理
IV. 8   ふっ素排水の処理
IV. 9   シアン排水の処理
IV.10  アンモニア・亜硝酸・硝酸排水の処理
IV.11  有機りん(農薬)排水の処理
IV.12  農薬系有機化合物排水の処理
IV.13  ポリ塩化ビフェニル(PCB)排水の処理
IV.14  有機塩素系化合物排水の処理
IV.15  ベンゼン排水の処理
IV.16  1,4-ジオキサン排水の処理
IV.17  水質有害物質処理装置
IV.18  有害物質測定技術
V 大規模水質特論
V. 1 大規模排水の拡散と水質予測
V. 2 処理水の再利用
V. 3 大規模設備の水質汚濁防止対策の事例

新・公害防止の技術と法規 (水質編) 2022年版

この本のメリットはたくさんあります。

・法律、施行令、施行規則が掲載。見比べやすくて書込みもできる。
・法の解説があるため要点がわかる。法律のどこがポイントがわかりやすくなる。
・pHやBODなど排水基準項目を理解できる
・排水処理方法や水質検査など、技術的なことも詳しく解説されている
・環境基本法や関連法が掲載され、法の背景など幅広く理解できる

・一度しっかり学べば、自分の武器となり、キャリアップにつながる

一般社団法人産業環境管理協会が作成する「公害防止管理者等資格認定講習用のテキスト」であり、公害防止の試験問題は、このテキストから出題されます。

公害防止管理者の受験用としてだけでなく、地方公共団体,会社における研修用,大学の教材用にも広く使われています。

値段は一万円程度で「そこまで必要?」と思うかもしれません。しかし、法律の怖いところは「知らなかった」ではすまないこと。

規制が複雑で、罰則も厳しい水質汚濁防止法。確実に法令を遵守し、絶対に水質事故を起こさないためにも、水質汚濁防止法の深い理解が必要ではないでしょうか。

TAROさん
TAROさん

毎年1,2月ごろ新刊が発売されています。内容は大きく変わらないと思いますが、法改正などあるため、最新版があるといいですね。

(参考)産業環境管理協会

「公害防止管理者 水質関係 超速マスター」

上記の本のサポート的なものとして、公害防止管理者の試験用の問題集もおすすめです。

「公害防止管理者 水質関係 超速マスター」解説がわかりやすいと好評です。

問題集は、ポイントが見えやすくて勉強しやすいところが利点。本著は図表も豊富であり、要領よく学べます。

「図解でわかる! 環境法・条例―基本のキ」

こちらは環境法全般に関する本です。特徴的なのは、環境法や環境条例を「どう読めばいいか」のコツが書かれているところです。私自身も参考にしています。もちろん、水質汚濁防止法の全体像やポイントがわかりやすく解説されており、一読の価値アリです。

逐条解説水質汚濁防止法(おまけ)

「逐条解説水質汚濁防止法」という法律の条文一つひとつの解釈が掲載されている本があります。多くの自治体が水質汚濁防止法の判断に活用する「最強の本」です。

しかし、1996年発売以来、更新されておらず、現在、入手困難な本となっています。

こちらの本もおすすめ

「元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術」

もし法律をあまり読んだことがないという方は、早い段階でこちらを読んでおくといいです。私自身技術系で法律は不慣れでしたが、この本を読んで法律の基本を身につけることができました。最初から読んでいれば、水質汚濁防止法をもっと効率的に素早く理解できたのかなと思っています。

技術者にとって法律は馴染みのないものかと思います。良書を活用しながら、効率よく、正確に学習していき、法の適切な運用に努めていただければと思います。

TAROさん
TAROさん

最後までご覧いただきありがとうございました。

【執筆者 プロフィール】
元技術系公務員のフリーライター。大手製造業で開発業務を経て、公務員の技術職へ。水質汚濁防止法の担当者として、年間100件以上の事業場への立入検査や届出の審査などを行う。公害防止管理者(水質第1種)、廃棄物処理施設技術管理者などの資格を保有。現在は、ライターに転向し、ビジネス系のWEBメディアや製造業者のWEBサイトなどの記事を執筆中。