イオン、衣料品を3つに分別回収するサステナブルな循環型社会への取組み【ニュース】

資源循環に関する企業の取組の紹介です。

2023年10月19日、イオンが、期間限定で衣料品の分別回収を実施しました。

※画像の出典:イオン(PRTIMES)

イオンリテールは10月20日(金)から10月31日(火)までの12日間、「イオン」「イオンスタイル」約280店舗※1)の衣料品売場に回収ボックスを設置し、不要になった衣料品を綿100%、ポリエステル100%、その他の3つにお客さまご自身に分けていただく分別回収を実施します。この取り組みは、繊維専門商社の株式会社チクマと連携し、回収された衣料品は株式会社チクマにより衣料品や新たな資源として生まれ変わります。

2023.10.19 イオン(PRTIMES)

綿、ポリエステル、その他の3つに分別回収

イオンでは、2003年から衣料品の回収に取り組んでおり、2022年10月には、約24トンを超える衣料品を回収し、リサイクルやリユースを実施。

イオンの購入品に限らず、顧客の不要な衣料品を回収することで、環境負荷の低減を推進するという。今年は、綿100%、ポリエステル100%、その他と、顧客自身で分別させることで、環境に対する認識を深めるとともに、効率的な衣料回収の実現を目指す。

回収された衣料品は、新たな衣類や、繊維原料、自動車内装材料などに生まれ変わるとのこと。

具体的な対象品目

トップス、ボトムス、アウター、コート・ジャージ・水着・ダウン・ニット(セーター・カーディガンなど)・ベルト・肌着・着物・帯・鞄・靴・タオル・ハンカチ・皮革製品・ビニール類・ナイロン類・濡れているものは回収対象外

詳細は、以下のイオンのサイトをご覧ください。

急務!ファッション産業の環境負荷低減

ファッション産業は、大量生産、大量消費、大量廃棄という、環境負荷の大きい産業として知られています。

そして、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)なファッションへの取り組みは、近年急速に拡がっています。

服1着のCO2は25.5kg!ペットボトル255本製造分

環境省によると、原材料調達から製造段階までに排出されるCO2排出量は、年間約90,000ktだそうです。

これを服1着あたりに換算すると、約25.5kgになり、ペットボトル(500mL)を約255本製造する分と同じだそうです。

かなり多いですね。

現状は、ゴミに出される服が68%

環境省によると、不要となった服の行先は、古着などの再利用や資源回収として有効利用されるのは32%程度であり、残り68%は可燃ごみや不燃ごみとして廃棄されています。

循環型モデルへと踏み出した企業の取り組み

今回のイオンの取組みと同様、企業では循環型モデルを実現するための取組みを行っています。

生産工程で廃棄される繊維を少なくすること、生活者に長く着てもらうために色落ちしにくい染色技術やほつれにくい縫製技術などの開発、リサイクルを想定し再利用しやすい素材選びや分解しやすいデザイン、さらにはモノマテリアル(単一素材)での商品開発など、様々な取り組みが検討されています。

また、古い衣服の回収しやすい仕組みづくりやリサイクル技術の開発、元の製品に新たな付加価値を持たせて別の製品として再生させるアップサイクルへの取り組みや、リペア(修繕)サービスの拡充などにも及んでいます。

これからますます、ファッション産業のサステナブルな取組みが盛んになりそうです。